読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ていねいにスラスラと

おかだ式計算プリントシステムの開発者のつぶやき

こんなところにも非正規雇用が

ドラマツルギーって死語なのか?

東京芸術劇場プレイハウス(池袋)で、足跡姫というお芝居(作・演出 野田秀樹)を観てきた。パンフレットには野田秀樹氏の手書きの挨拶があった。

中村勘三郎へのオマージュだそうだ。

 

正直言って、すごく残念な舞台だった。

人間としての存在を感じられたのは、古田新太さんと池谷のぶえさんくらいで、後の人たちは人間という感じがしない。台詞の中身が心に響かず、お話もバランバラン。

ラストシーンの妻夫木聡さんの長台詞には、野田秀樹さんの思いが込められていて、豪華な舞台装置とも相まって、言わんとされていることは伝わってきた。

でもね、それまでの積み重ねがほとんどないので、パンフレットのご挨拶と大差ない印象しか、私の心には残らなかった。

出ている役者さんたちはそれなりの技術も経験も持っておられるわけで、もったいないなぁと感じた。

もちろん私は、野田秀樹さんのお芝居や歌舞伎や江戸時代についての造形が深いわけではないので、見る人を選ぶ芝居だと言われれればそれまでなのだが。

 

研修生という名の非正規雇用

ところでこの日、印象に残ったのは、ロビーに置かれていた「劇場を創るという仕事」というリーフレットの内容だった。

東京芸術劇場では制作の研修生を募集している。期間は約10ヶ月。週4〜6日のフルタイムで、劇場までの交通費と食費は自己負担。

年間180万円が支給される。その中には、調査研究費・通信費・報告書作成に関わる事務経費も含まれている。そしてレポートの出来不出来によって多少の増減があるらしい。

雇用契約でないので労災保険雇用保険社会保険はない。

応募資格は「演劇・音楽分野で3年以上の経験があることなど」。

つまり一人前の仕事ができる人に「年俸180万で個人契約しませんか?」という話だ。

募集は若干名。年齢は22歳〜35歳。研修期間は1〜2年。その後はまた自分で仕事を探してくださいというわけだ。

研修期間とはいうものの、額面の月給が15万円。福利厚生一切無しで、勉強のために買う本の援助も無しでどれほどの人材を育成できるのだろうか?

コンビニのバイトと大差ない研修生も支えている舞台で野田秀樹さんや宮沢りえさんがお芝居をし、どれくらいのギャラが発生しているのだろうか?

この日のチケットは5500円〜9800円。客席は約800だから、売上はざっと560万くらいか。

 

もっとも、私が若い頃、演劇をしていた頃の年収は約90万円だったから、まぁいい方なのかもしれない。この研修生になれる人は、演劇を志す人の中ではエリートの方だからねぇ。