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アントロポゾフィー

 哲学者・教育者・神秘思想家としてドイツで活躍したルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner、1861年2月27日生 1925年3月30日没)が提唱した思想体系のことをアントロポゾフィーといいます。日本にもアントロポゾフィー協会という集まりがあり、今も脈々と生きている考え方の一つです。

 

 シュタイナーの著書を数多く日本語に翻訳して紹介された高橋巌さん(美学者、1928年生)は、アントロポゾフィーと言わずに「人智学」と訳されて、一貫して人智学と呼ぶことを貫いていらっしゃいます。

 

 高橋さんにお会いする機会を得て、私は
「日本でシュタイナーを学んでいる方の多くはアントロポゾフィーとドイツ語の音を使われているのに、どうして『人智学』という訳語を使われているのですか??」
と聞いたことがあります。

 

 そのときうかがったお話を、私が理解できた範囲で結論から言うと「アントロポゾフィーという言葉を使うことには愛がない」ということのようでした。

 

 ドイツ語の素養はもちろんシュタイナーの著書の翻訳本も読んだことのない人に、「アントロポゾフィーで言えば」などと話してみても、何も伝わらない。でも人智学と言って漢字で書けば「人についての智慧の学問なのか」くらいのことは想像できるでしょう。

 

 もちろんシュタイナーの思想体系は膨大で難解なので、そう簡単には理解できない。でも本質的な事のごくごく一部であったとしても、何も勉強なんかしようと思ってはいない普通のおじさんやおじさんにも少しは伝わる。

 

 そんな内容のお話をうかがって、世の中には愛のある言葉と愛のない言葉がある、と実感したのでした。